ドライブに出発してしばらくすると、愛犬が落ち着きなくあくびを繰り返したり、よだれを垂らし始めたり――そんな経験はありませんか。車酔いは犬にとって珍しいことではなく、特に子犬や車移動に慣れていない犬に多く見られます。無理に慣れさせようと長距離ドライブを重ねると、かえって「車=つらい場所」という記憶を強めてしまうこともあります。
この記事では、犬が車に酔う原因から、症状の見分け方、今日から試せる予防法、酔い止め薬との付き合い方まで、獣医師監修の情報をもとに整理しました。さらに、都心部から90分以内でアクセスできる愛犬同伴OKの宿も2軒あわせて紹介します。
犬が車に酔う3つの原因

犬の車酔いは、人間の乗り物酔いと同じく「乗り物酔い(動揺病)」の一種です。原因は主に3つに分けられます。
三半規管が未発達・過敏で平衡感覚が乱れる
車の揺れや加減速、カーブが続くと、耳の奥にある三半規管が過剰に刺激され、平衡感覚が乱れて自律神経が乱れます。特に生後1年未満の子犬は三半規管が発達しきっておらず、成犬より車酔いしやすい傾向があります。成長とともに自然と酔いにくくなるケースも多く、焦って長距離に慣らす必要はありません。
車内のニオイや慣れない環境への不安・ストレス
ガソリンのニオイ、芳香剤や消臭剤、シートの匂いなど、人間には気にならない車内のニオイも、嗅覚の鋭い犬には強い刺激になります。加えて、閉じられた狭い空間に固定される緊張感や、外の景色が流れていく違和感そのものがストレスとなり、自律神経を乱して吐き気につながることもあります。
過去に車で嫌な思いをした経験
動物病院に行くときしか車に乗らない、以前車で酔って苦しい思いをした――こうした経験が「車に乗る=嫌なこと」という学習につながり、乗車前から震えたり抵抗したりする犬もいます。この場合は身体的な酔いというより心理的な要因が大きいため、まずは走らない駐車中の車内で過ごす練習から始めると安心です。
車酔いのサインを段階で見分ける
車酔いの症状は軽いものから重いものまで段階があります。
初期のサインは、頻繁なあくびやそわそわと落ち着かない様子、口周りのよだれの増加です。ここで気づけるのが理想です。
次第に呼吸が荒くなる、体が小刻みに震える、鼻水が出る、頻繁に体勢を変えるといった軽度の症状が見られたら、速やかに車を安全な場所に停めて窓を開け、新鮮な空気を入れ替えましょう。落ち着くまで無理に車内にとどめず、可能であれば外に出て気分転換させてあげてください。
さらに悪化すると、嘔吐や下痢、ぐったりして反応が鈍くなるといった重度の症状に至ることもあります。無理に運転を続けず、安全な場所に停車して様子を見て、嘔吐や脱水が続く場合は動物病院への相談も検討してください。
今日からできる車酔いの予防法
車内環境を整える

車内は20〜25℃を目安にし、こまめに換気して空気を入れ替えましょう。暑さやニオイのこもりは吐き気を強める要因になります。
食事は出発直前の満腹も、長時間の空腹も酔いやすくなるため、出発の2〜3時間前までに済ませておくと安心です。
座席は揺れの少ない後部座席の中央や足元にクレートを固定し、視界を安定させます。窓の外の景色が流れる様子が刺激になる犬には、クレートで視界を落ち着かせるのが効果的です。
運転は急発進・急ブレーキ・急カーブを避け、なめらかな運転を心がけるだけでも揺れによる刺激を減らせます。
また、普段使っている毛布やタオルを車内に置くと、慣れた匂いが安心材料になります。
短い距離から慣らすトレーニング

車酔いは経験を重ねるほど改善しやすくなります。いきなり長距離を走らせず、次のようなステップで少しずつ慣らしていくのがおすすめです。
- エンジンをかけず、駐車中の車内でおやつを食べさせる(車=良いことが起きる場所という学習)
- エンジンをかけたまま数分間車内で過ごす
- 近所を5〜10分程度走ってみる
- 問題がなければ、公園など愛犬が喜ぶ場所を目的地にした30分程度のドライブに挑戦する
ポイントは、到着地に「愛犬にとって嬉しい体験」を用意すること。公園やドッグランなど楽しい目的地とセットにすることで、「車に乗るとうれしいことがある」というポジティブな記憶に置き換えていけます。長時間の移動に不安がある場合は、そもそも移動時間が短い旅先を選ぶのも有効な対策です(後述の宿の紹介もあわせてご覧ください)。
酔い止め薬・CBD製品を検討するときの注意点

予防を工夫しても酔いやすい犬には、薬による対策もあります。ただし自己判断での使用は避けるべき点が多いため、ここにまとめて注意点を整理します。
酔い止め薬は必ず動物病院で処方してもらう
犬の車酔いにはマロピタント(商品名セレニアなど)という嘔吐を抑える薬が使われることがあります。作用の仕組みや用量は獣医師の診断が必要で、体重や持病によっても判断が変わります。通常は乗車の1〜2時間前に投与し、眠気やふらつきが出ることもあるため、初めて使うときは短距離で様子を見るのが安心です。
人間用の酔い止め薬は絶対に使わない
人間用の市販薬には犬にとって有害な成分が含まれていることがあり、自己判断での使用は中毒のリスクがあります。必ず動物病院で犬用として処方されたものを使用してください。
CBD製品は効果が確立されていない
リラックス目的でCBD製品をドライブ前に取り入れる飼い主も増えていますが、犬に対する効果や安全性について確立されたエビデンスはまだ限定的です。品質や含有量が製品によって大きく異なるため、使用を検討する場合は事前にかかりつけの獣医師に相談し、自己判断での常用は避けてください。
車酔いしやすいといわれる犬種の傾向
個体差が大きいため一概には言えませんが、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、シーズー、トイプードル、チワワ、ビーグルなどは車酔いしやすい傾向があるとされています。
特に子犬の時期は三半規管が未発達なため、犬種を問わず酔いやすい点にも注意してください。当てはまる犬種だからと過度に心配する必要はなく、短距離から慣らすトレーニングを続けることで多くの犬は改善していきます。
都心から90分以内で行ける愛犬同伴宿2選
これまで紹介した工夫を重ねても、車酔いをゼロにするのは簡単ではありません。車移動そのものに不安がある場合は、そもそも移動時間が短い宿を選ぶのも一つの方法です。ここでは、都心部から車で90分以内に到着できる、愛犬同伴OKの宿を2軒紹介します。
【千葉・富津】グランドーム千葉富津|アクアライン経由で都心から約60分



千葉県富津市、房総半島の入口に位置するグランピングリゾートです。東京湾アクアラインを使えば都心から約60分、富津中央ICからは約8分と、房総エリアの中でも際立ってアクセスが良く、車移動に不安がある子犬やシニア犬との初めてのお出かけ先にも向いています。棟タイプごとに専用ドッグランがあり、広さは約22㎡〜約155㎡までさまざまです。
- 車酔いが不安でも安心な点: 片道1時間ほどで到着できるため、休憩を1回挟む程度で移動を終えられます。渋滞しやすいアクアライン上りは時間帯をずらすとより安定します。
- 愛犬向けの設備: サークル、トイレトレー、トイレシーツ、消臭ミスト、食器、ウンチ処理袋、粘着クリーナー、愛犬用タオルを備えます。フードは持参が必要です。
| 💡 施設基本情報 | |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県富津市湊1660-3 |
| ドッグラン | 棟タイプ別に約22〜155㎡(全20棟中、愛犬同伴可6棟) |
| チェックイン | 15:00〜(ドームテント〜10:00/ヴィラ〜11:00 チェックアウト) |
| アクセス | 東京湾アクアライン経由で都心から約60分・富津中央ICから約8分 |
【茨城・小美玉】グランデ プライベート ドッグリゾート常陸|都心から車で約70分



茨城県小美玉市、2024年春開業のプライベートグランピングリゾートです。都心から車で約70分、常磐自動車道「石岡小美玉スマートIC」または東関東自動車道「茨城空港北IC」からそれぞれ約20分とアクセスしやすく、全棟に天然芝の大型ドッグラン・愛犬も遊泳できるプール・黒湯の客室温泉を備えます。
- 車酔いが不安でも安心な点: 都心から約70分と首都圏からの日帰り圏内に近く、到着後は天然芝のドッグランでゆっくり体をほぐしてから客室に入れます。移動の緊張をほどく時間を確保しやすい立地です。
- 愛犬向けの設備: 棟タイプにより約130〜680㎡のドッグラン、プール、黒湯の客室温泉を完備。宿泊には5種以上の混合ワクチンと狂犬病予防注射の接種証明書の持参が必要です。
| 💡 施設基本情報 | |
|---|---|
| 所在地 | 茨城県小美玉市幡谷384-1 |
| ドッグラン | 約130〜680㎡(棟タイプにより異なる) |
| チェックイン/チェックアウト | 15:00〜/〜11:00 |
| アクセス | 都心から車で約70分・常磐道「石岡小美玉スマートIC」または東関東道「茨城空港北IC」から約20分 |
※料金・空室状況・ワクチン証明書などの持参条件は変更される場合があるため、最新情報は各施設の公式ページでご確認ください。
犬の車酔いに関するよくある質問(FAQ)
-
子犬はいつ頃から車酔いしなくなりますか?
-
個体差はありますが、三半規管が発達する生後1年前後で自然と酔いにくくなる犬が多いです。それまでは短距離のドライブを繰り返して慣らし、無理に長距離へ連れ出さないようにしましょう。
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人間用の酔い止め薬を犬に飲ませてもいいですか?
-
絶対に避けてください。人間用の市販薬には犬にとって有害な成分が含まれる場合があり、中毒のリスクがあります。犬の車酔いには動物病院で処方される犬用の薬(マロピタントなど)を使用し、自己判断での投薬はしないでください。
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移動前の食事は与えない方がいいですか?
-
完全に絶食させる必要はありませんが、満腹の状態での乗車は吐き気を強めます。出発の2〜3時間前までに食事を済ませ、空腹すぎる状態も避けるのが目安です。
まとめ|原因を知り、短い距離から慣らして、無理のないドライブを
犬の車酔いは、三半規管の未発達・車内のニオイやストレス・過去の嫌な経験が主な原因です。車内環境を整え、短距離から少しずつ慣らし、到着地に楽しい体験を用意することで、多くの犬は改善していきます。それでも不安が大きい場合は、自己判断せずに動物病院に相談し、必要に応じて犬用の酔い止め薬を処方してもらいましょう。
そしてもうひとつの対策が、移動距離そのものを短くすること。今回紹介したグランドーム千葉富津(約60分)とグランデ プライベート ドッグリゾート常陸(約70分)は、どちらも都心部から90分以内でアクセスできる愛犬同伴OKの宿です。車移動に慣れていない愛犬との初めての1泊にも取り入れやすい選択肢として、ぜひ候補に加えてみてください。
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